民法改正と交通事故
(中間利息・遅延損害金)交通事故被害の諸問題を解決します。

民法改正と交通事故(中間利息・遅延損害金)民法改正と交通事故
(中間利息・遅延損害金)

民法改正と交通事故
(中間利息・遅延損害金)

<1> 変動金利制

新民法は、法定利率を新民法施行当初は3%とし、それ以降は3年毎に市中金利の動向を斟酌して法務省令で定めると規定しました(民法404条)。交通事故損害賠償請求権に適用される利率は、新民法の施行当初3年間は3%となり、以後3年毎に変動することになります。適用利率は、債権発生時(交通事故時)の利率が基準となるので、事故後、法定利率が変動しても、変化することはありません。新民法施行後は、3年毎に金利の見直しが行われることになりますので、交通事故損害賠償実務には、大きな影響があります。

<2> 中間利息控除

旧民法では、中間利息控除については、明文の規定がなく、判例法上認められた概念でした。新民法では、中間利息控除を行う場合に関する明文の規定が設けられ、将来の利益について損害賠償を請求する場合、利益を取得すべき時までの利息相当額を損害賠償請求権が発生した時点の法定利率により控除すると規定されました(民法417条の2)。新民法施行後は、逸失利益を算定するために中間利息を控除する場合の法定利率は、新民法施行当初は3%で、その後は3年毎に変動することになり、中間利息の控除を伴う逸失利益等の算定額が金利改定によって、大きく変動することになります。同一内容の交通事故でも、交通事故の発生日時によって、大きく賠償金額が異なってくる可能性があることに注意しなければなりません。中間利息控除についても交通事故発生時の法定利率が適用されることになります。

<3> 遅延損害金

新民法施行後は、遅延損害金の利率も新民法施行時は、年3%となり、以後3年ごとに変動することになります(民法417条の2)。旧民法の下では、交通事故発生から賠償金受領時までに例えば3年経過している場合、遅延損害金は、賠償金額の15%でしたが、今後は9%になります。遅延損害金の利率の基準時も交通事故発生時となります。

<参照条文>

第四百四条 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率による。

(2) 法定利率は、年三パーセントとする。

(3) 前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、三年を一期とし、一期ごとに、次項の規定により変動するものとする。

(4)各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。

(5) 前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の六年前の年の一月から前々年の十二月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が一年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を六十で除して計算した割合(その割合に〇・一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。

第四百十七条の二 将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをする。

(2) 将来において負担すべき費用についての損害賠償の額を定める場合において、その費用を負担すべき時までの利息相当額を控除するときも、前項と同様とする。